巨視的量子多体系としての固体が示す協力現象の最も典型的な事象である相転移において、構造相転移では、電子系と格子系との相互作用が協力的駆動力として作用し、格子構造・対称性・電子状態が異なる2つの状態が巨視的スケールで劇的に転移する。 本研究においては、超短光パルスを構造相転移のトリガとする光誘起構造相転移の相転移動力学を、 1) 種々の光誘起構造相転移現象の中から典型例を対象として厳選し、 2) 極限的時間・空間分解能を有する実験手法を用いて、励起電子系の超高速緩和現象と格子系の超高速動力学の双方に対する直接的な知見を獲得し、 3) 高度な理論的研究による協力的動力学解析を融合させ、 て研究し、相転移機構の微視的・統一的理解を達成する事を目的とする。これによって、凝縮系科学に新たなパラダイムを切り開く。
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