研究課題
長く課題であった、抗シガトキシンCTX1B左セグメントを認識する抗体作製が成功しなかった原因が判明した。ハプテン-KLHコンジュゲート、すなわち抗原の調製が期待通り行っていなかったのである。今回、新しい合成法により作製した抗原を用いることによって、ようやく15種の抗体を得るこに成功した。ハプテンに対するそれら抗体の結合定数を検討すべく準備中である。また、既に作製済の抗CTX3Cマウス抗体のヒト型抗体化にも部分的に成功し, ヒト型抗体の遺伝子を得ることに成功した。そこで、本遺伝子をもとに抗体タンパク質ライブラリーを作製し、高活性組み換え抗体をスクリーニングする予定である。ラジカル反応を活用したCTX1BのA-Eセグメントの新しい合成法を改良し、より確実な合成法を開発中であるが、E環の2重結合の導入法が課題であることが判明した。CTX3CのサンドイッチELISA法をキット化実用化するに際し、ポジティブコントロールが必要である。そこで、F環を8員環としたアナログを合成した。現在、その毒性と、抗CTX3C抗体、10C9と3D11に対する結合性を天然毒のCTX3Cと比較検討中である。51-HydroxyCTX3CのF環を10員環としたアナログを合成したところ、8員環アナログよりマウス毒性が強いが、天然物に比べると2000倍以上も弱く、F環が9員環であることが毒性発現に極めて重要であることを明らかにした。9員環エンジイン抗腫瘍性抗生物質のケダルシジンクロモフォアのアグリコン部の立体選択的合成と、マデュロペプチンクロモフォアの世界初の全合成に成功した。特に、マデュロペプチンの報告されていた構造は誤りであることを明らかにし、正しい構造を化学合成することによって、構造を改訂した。
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