研究課題/領域番号 |
19001003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平間 正博 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10142077)
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研究分担者 |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70189984)
山岡 薫 広島国際大学, 保険医療学部・理学療法学科, 教授 (10200586)
山下 修治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50419991)
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キーワード | シガテラ / シガトキシン / 全合成 / 抗体 / イムノアッセイ / エンジイン抗生物質 / ナトリウムチャネル |
研究概要 |
エンジイン抗生物質マデュロペプチンクロモフォアの全合成を達成し、従来提出されていた構造を訂正した。C-1027クロモフォアの微量の全合成にも成功した。ケダルシジンクロモフォアのアグリコンの合成も達成し、問題になっていたC10位の天然型立体化学を明確にした。カリブ海産C-CTXのH-N環右セグメントの合成上の課題であった、核間ジメチル基を持った7員環M環の合成法に関して、[2+2]光環化反応が適用できることが分かった。(Z)-ビニルスルホキシドへのラジカル環化反応を活用したCTX1BのA-E環セグメントの新しい合成法を開発した。シガテラ中毒の原因毒として最重要なCTX1Bの左部分に結合する抗体作製ができなかった原因をほぼ明らかにした。注意深く合成法を改良し、第三世代のハプテン抗原コンジュゲート合成に成功した。これら抗原をマウスに対して免疫中であり、モノクローナル抗体が得られ次第、CTX1B左部分ハプテンに対する結合定数を求め、得られた抗体の能力を評価する。更にはCTX1Bに対する結合定数も求める。そして、既に作製したCTX1Bの右部分を認識する抗体8H4と併せて、サンドイッチELISAによるCTX1Bの高感度で確実な検出法を開発する。遺伝子工学およびタンパク工学的手法により、既に作製済の抗シガトキシンCTX3Cマウス抗体10C9のヒト化抗体作製に成功した。F環アナログ(開環、8,10員環)の合成によって、シガトキシン類の毒性にはF環が9員環であることが重要であることが分かった。電気生理学的特性(Naチャネルへの作用)によっても9員環の重要性を再確認した。51-hydroxyCTX3CのB環、M環水酸基を選択的に化学修飾する方法を開発した。CTX3Cシガテラ中毒のマウスに抗CTX3C抗体2種を与えると劇的な中和作用が確認され、抗体による中毒治療のモデル実験に成功した。
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