研究課題
東日本大震災(2011年、3/11)に見舞われて中断を余儀なくされ、震災繰越しが認められた研究について、鋭意、研究の回復と当初計画の達成を試みた。1)NMR測定に十分量のC-1027クロモフォアの全合成を達成すべく合成を進めた。今年度、再合成を進めたが、担当していた学生が卒業し、期待したほど進捗しなかった。今後、速やかに完成したい。2)昨年度は、Kedarcidinクロモフォアのアグリコンの合成を達成し、問題になっていたC10位の天然型立体化学を確実にした。今年度は、糖部を結合した鍵フラグメントを調製し、クロモフォア保護体の全合成を完成した。しかし、水酸基の保護基を変えないと、最終段階の脱保護が進行しないことが分かり、新たな保護基で再合成を進めている。3)海産cyanosporasideの前躯体と予想される9員環エンジインの全合成を達成することができた。更に、中間体ビラジカルが塩素を取り込む反応について、興味深い反応機構を明らかにした。4)(Z)-ビニルスルホキシドへのラジカル環化反応を活用したCTX1BのA-E左セグメントの新しい合成法を改良し、より効率的実践的にした。その結果、CTX1B左セグメントを100mg以上合成することができた。既に合成してあったCTX1B右セグメントと連結してミリグラムに近い量のCTX1Bを全合成することができた。5)ついに、長年の懸案であったCTX1Bの左部分に結合する抗体作製に成功し、CTX1B特異的モノクローナル抗体3G8(Kd=15nM)が得られた。更に、既に作製したCTX1Bの右部分を認識する抗体8H4と併せて、CTX1Bを高感度で検出できるサンドイッチALP-ELISA法(2pg/mL)を開発することに成功した。6)藤井・円谷は、遺伝子工学およびタンパク工学的手法により、今年度は、CTX3C右側認識マウスモノクローナル抗体3D11のヒト化に成功した。7)山岡は、NaチャネルCTX感受性サブタイプ(Nav1.4)のミュータントを作製し、CTX3Cに対する電気生理学的特性を調べた結果、ドメイン2の電位センサーとみなされているS4セグメントがCTX3Cの受容体、即ち結合部位である可能性が高いことを明らかにした。
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