研究概要 |
低地水田生態工学技術(サワエコテクノロジー)を以下の5つの要素技術として整理し、研究者・技術者・農民を訓練するシステムを構築した。即ち、アフリカの農民が自力で(1)適地を選び適田システムをデザインし、(2)耕転機を使いながら経済的にペイする適地適田開発の実施、(3)実施主体となる農民グループの組織化、(4)水田稲作の持続的な実施、(5)サワエコテクノロジーを持続可能にする農村社会の経済及び土地制度の条件整備と調整。これまでの成果にもとづいて、水田(サワ)エコテクノロジーによるアフリカの緑の革命実現へのロードマップを以下のように明確にした。(1)1986年-2002年:17年の試行錯誤と基礎研究の実施。(2)2003年-2007年:多様な小低地環境に適する水田システムのオプションを、試行錯誤で参加農民の自力により開田するアクションリサーチを開始し、約30サイトで50haを適地適田開発した。(3)2007年-2009年:サワ方式の質的改良と全アフリカへの普及を目指しアクションリサーチを当初のベンチマークサイト以外に拡大。国際機関のAfrica Rice, JIRCAS, Millennium Village, JICA等との連携と訓練を開始。土地制度のデータ収集とサワ方式の研究・訓練システムを整備し、当初目標の60サイト、150haの適地適田開発アクションリサーチをほぼ完了。これを受けて、(4)2010年-2012年:緑の革命実現の直前のステップとなる大規模アクションリサーチの実施を準備するため、100サイト以上で300haの適地適田開発アクションリサーを実施し、本格的な普及にむけたマニュアルや研究、訓練システムを完成させる。(5)2013年-2020年:アフリ力全域で1000サイト、5,000ha以上の適地適田開発に関する大規模アクションリサーを実施、(6)2020年-2050年:サブサハラァフリカ全土で農民の自力による適地適田開発と水田稲作の普及が自力展開し緑の革命が実現する。
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