研究課題
本研究課題では、3つのテーマ:1.高々度発光現象(TLE)のメカニズムの解明、2.地球ガンマ線(TGF)のメカニズムの解明、3.グローバルな雷放電活動とそれらの大気及び電離圏・磁気圏への影響の定量的理解、を達成するために、A.マイクロサテライトの開発・製作・打上、および得られたデータの解析、B.ローカルな地上観測キャンペーンと永続的地上モニタリング観測の実施、C.統合的なデータ解析とメカニズム解明のためのシミュレーションを柱とした研究計画を実施している。19年度は以下の項目について進展があり、概ね当初の予定通りにプロジェクトが進行している。A.JAXAによる2008年度打上の相乗り衛星公募に応募し採択された。JAXAの担当職員と打合せを行い、搭載のためのインターフェースと契約を進めた。また、人工衛星地上間通信に必要な周波数を確保するために、総務省の担当者と連絡をとって国際調整及び免許申請の書類作成を行い、併せて院生が免許講習に通い、従事者免許を取得した。衛星の製作は、特注部品の仕様決定、市販部品の選定、購入を経て、衛星本体がほぼ完成し、電気的な総合試験の準備が完了した。また、つくばのJAXA設備を用いて振動試験を実施した。仙台の地上アンテナおよび送受信設備の設置場所・方法について検討し、ほぼ目処が立った。またスウェーデン・キルナ局の設置について、当地の会社と交渉・検討した。B.アジアでの集中観実施に向けて、電波観測機器を製作し、台湾・台南に設置した。さらにタイの観測候補地を視察し、当地の大学と協議を進めた。C.新規衛星の打上げに向けて、これまでに得られた人工衛星、大気球、地上電波観測ネットワークのデータを解析し、TLEおよびTGFの発生条件と定量的な現象理解に大きな進展があった。また、太陽活動と雷放電の全球活動について新たな関係を見いだした。
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J. Geophys. Res (In press)
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