研究課題
本研究課題では、3つのテーマ:1)高々度発光現象(TLE)のメカニズムの解明、2)地球ガンマ線(TGF)のメカニズムの解明、3)グローバルな雷放電活動とそれらの大気及び電離圏・磁気圏への影響の定量的理解、を達成するために、A)マイクロサテライトの開発・製作・打上、および得られたデータの解析、B)ローカルな地上観測キャンペーンと永続的地上モニタリング観測の実施、C)統合的なデータ解析とメカニズム解明のためのシミュレーションを柱とした研究計画を実施している。21年度は途中より特推としての活動を縮小、終了したが、以下の成果を得ている。A)衛星(雷神)は20年度2月初めに通信障害を発生したが、21年度はスタンフォード大学の協力を得たコマンド送信実験と地上再現実験を行いほぼ原因を究明した。近い将来復活の可能性はあるものの、当面は状態監視と搬送波を使った電離圏擾乱モニター観測を継続している。B)アジアVLF観測網の拠点としてタイへの機器設置を完了し(途中から別財源に移行)、また観測網の初期観測から雷放電によるアジア地域での新電離圏擾乱現象を発見した。ELF世界観測網を維持し、大気電場観測を整備した。C)ELF観測網による位置評定の新手法を開発し、精度を大幅に向上することに成功し、データベースを構築するとともに落雷世界分布図を初めて作成した。この手法に基づき、落雷規模別に世界年間平均落雷頻度を初めて推定した。さらに、TGF発生頻度及びスプライト光度の、落雷規模依存性を示すことに成功にした。これらの成果の多くは一流国際誌に受理または査読最終段階にある。雷放電活動及び雲量と太陽活動についての解析・考察をすすめ、成果の一部は一流国際誌に掲載された。こうした電磁波及び光学落雷データの大気科学モデルへの応用を多角的に調査し、利用方針を定めた。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (28件)
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