研究課題/領域番号 |
19002003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 肇 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20178982)
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研究分担者 |
石川 貴嗣 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40400220)
山崎 寛仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90260413)
笠木 治郎太 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10016181)
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キーワード | ペンタクォーク / 電磁カロリメータ / STBリング / 固体 / 液体水素 / バリオン共鳴 / SPring-8 / LEPS / BSO |
研究概要 |
5年間にわたる研究の初年度の目標は、既存の検出器を組み替え再利用し、かつ他の研究機関から借用できる検出器を集合して大立体角の検出器FORESTを建設することであった。 研究計画に従って着々と準備を進め、スパイラルシンチレータ(SPIDER)も設計通りに完成した。既に完成しているSCISSORSIIIの前面に取り付け、FORESTに組み込まれた。SPring-8/LEPSから持ち込んだ電磁カロリメータBGの組み込みも終了した。ここでは252本のPb/SCIFIブロック検出器を装着し、ケーブルの接続も完了した。Lead glassは、過去にKEKで使われたものを使用する予定で、既に実験準備室への搬入作業は完了している。これらすべての検出器からのデータを瞬時に処理するために、新たに高速データ収集システムを開発し、実用化した。 固体水素・重水素標的は、外径60mmφ、内径50mmφのアルミ製パイプの先端に形成され、54mmφ50mm長の円筒形である。入射光子のビーム軸と軸を同じくして上流からBG内部に挿入するので、パイプの長さは1000mmである。冷凍機を用いた方法で、現在までに水素の液化に成功し、泡のない非常に安定した液体水素標的が得られた。光子ビームによる1週間のテスト実験では、固体水素標的比べて遜色のない安定度を示し、長期間の実験に使用できることがわかった。ビームハローによるバックグラウンドを減らすために、更に口径の大きい円筒形標的の開発を続けている。 本研究後半で導入される4πクリスタル検出器のクリスタル性能試験の結果、BSOが最も適していると結論される。現時点でBSOが最有力であるが、PWOとBGO、CsIも完全に除外されているわけではない。残る問題は短期間の大量製造が可能かどうかで、業者の選定作業を行っている。コストの問題も残されており、これらの状況を勘案して最終的にクリスタルを決定する予定である。
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