研究課題
平成23年度は、以下の(A)搬送波包絡線位相とイオン信号の同時計測システムによる二重イオン化過程の搬送波包絡線位相依存性の観測、(B)時間依存多配置波動関数理論に基づく計算コードの実装と波動関数解析と(C)分子からの光電場内電子散乱信号の観測、を行った。(A)搬送波包絡線位相とイオン信号の同時計測システムによる二重イオン化過程の搬送波包絡線位相依存性の観測単一パルス搬送波包絡線位相キャラクタリゼーション装置とコインシデンス運動量画像観測装置を同期することによって、レーザーパルスの搬送波包絡線位相と生成イオン信号との相関をパルス毎に測定できる計測システムを構築した。この計測法を用いて、高強度数サイクルレーザーパルスによるXe原子の二重イオン化過程の収率が、搬送波包絡線位相に依存することが明らかにされた。(B)時間依存多配置波動関数理論に基づく計算コード開発と波動関数解析時間依存多配置波動関数理論による,レーザーとの相互作用を考慮した炭化水素分子の波動関数の実時間発展を計算できるプログラムコードの開発を行う。これまでのところ、虚時間発展法によりメタノール分子の電子・プロトン波動関数の計算を行い、プロトンの位置相関の解析を行った。(C)分子からの光電場内電子散乱信号の観測四塩化炭素を試料として光電場内電子散乱実験を行い、光子吸収を受けた散乱電子信号の観測に初めて成功し、散乱電子信号の角度分布に分子構造に由来する干渉パターンが現れることが示された。さらに、検出効率を格段に向上させた光電場内電子散乱観測装置を新たに設計し、装置の組み立てを行った。
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