研究課題
本研究は、二層(DW)および多層(MW)カーボンナノチューブ(CNT)の精緻な成長と構造の制御法開拓とその成長メカニズムの解明を中心に研究し、さらにCNTの安全性も含め、CNT科学と応用の飛躍的発展を目的としている。二年目の本年度は、次のように予定に沿った成果を得ることができた。すなわち(1)CVD法とPeapodsまたはferrocene内包SWNTから生成したDWNTの構造比較を行い、これらDWNTの主な違いはInner tubeとOuter tubeのカイラリティペアーの違いであることを見出した。(2)触媒に安価なガーネット、炭素源に都市ガスを用いて、CNTが極めて大量にかつ高品質に成長制御およびガーネットとCNTを容易に分離できる手法を見出した。(3)DWNTの外部チューブに選択的に長い官能基を修飾して溶媒中で孤立化することを確認し、それを用いてPolyimideをIn situ Polymerizationすることで高強度、高伝導性、高熱安定性及び高い透明性膜を得た。(4)DWNTは内外チューブにより、四つに分けられる(半導体@金属、金属@半導体、半導体@半導体、金属@金属)。界面活性剤により分散したDWNTについて共鳴ラマンのRBMから構成によってチューブ間のspacingが違うことを実験的に初めて証明した。(5)表面改質を施したMWNTをフィラーに用いてゴム界面相並びに立体構造の制御すなわち新開発のセルレーション技術によって、現行の175℃、140MPaから260℃、240MPaの革新的耐久性を有する超高性能ゴムシール材を開発した。(6)CNTの安全性をCNTに残存している不純物の影響を免疫学的な観点で評価し、高温熱処理により得られる高純度なCNTが高い生体親和性を示すことを見出した。これらの成果は多くの国際会議での基調講演、招待講演に反映され、当該分野の発展に寄与できた。
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