研究分担者 |
中村 元直 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40431762)
進藤 英雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10401027)
北 芳博 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20401028)
高橋 利枝 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80236299)
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研究概要 |
生体膜リン脂質はアシル転移酵素によって多様な構造を維持している。我々はこれまでにアシル転移酵素の新規ファミリーを数多く発見した。今回これらの内、MBOATファミリーに属する酵素群(LPCAT3, LPCAT4, LPEAT1, LPIATI)に着目し、配列比較と点変異体解析からこれら酵素群のリゾリン脂質アシル基転移活性に必須な4つのモチーフを見出した。 我々は、これまでに6種の脂質シグナル分子認識GPCRやプロトン感受GPCR (PAF receptor, BLT1, BLT2, LPA4, G2A, TDAG8)を発見したが、オーファンGPCRであったp2y5が第六番目の新規LPA受容体(LPA6)であることを今年度に明らかにした。ところで、細胞内におけるGPCRの輸送機構、特に、小胞体(ER)で産生されたGPCRがどのような機構で形質膜まで運ばれるかについては未だ不明な点が多い。我々は、BLT2を材料とし、GPCRのC末端領域に共通して存在するHelix8ドメインがERからの搬出に必要であることを明らかにするとともに、こうした重要ドメインの変異に起因した構造異常体は特異的リガンドの添加でERから搬出させることが可能であることを明らかにした。 また、昨年度構築した液体クロマトグラフィー・質量分析計(LC-MS)を用いた脂質メディエーターの一斉定量系を活用し、各種遺伝子欠損マウスでアレルギー性脳脊髄膜炎などを発症させた際の病態進展各期における脂質メディエータープロファイリング(脂質メタボロミックス解析)を進めている。
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