研究課題
膜リン脂質多様性の生成メカニズムとリン脂質や生理活性脂質の網羅的解析(リピドミクス手法)の開発が本研究課題の内容である。リン脂質多様性に係わると思われるリゾリン脂質アシル転位酵素を6種類単離し、それぞれ、膜リン脂質形成以外に肺サーファクタント生成、PAF合成に係わること、また、ある種の酵素は脳や網膜に多い、多価不飽和脂肪酸(DHAなど)含有リン脂質合成に係わることを明らかにした。これらの酵素の基質特異性などのin vitroのアッセイに加えて、siRNAやノックアウトマウスの作成が順調に進められ、細胞レベル、個体レベルでの酵素の役割と、膜脂質組成変化の関連づけが進んでいる。ある酵素は欠損により胎性致死になることもわかり、膜形成に重要な役割を果たすと考えられた。生理活性脂質(主としてエイコサノイド)の多成分同時分析については、2005年報告時の14種から、2008年36種、さらに新機種の改良などを行い(島津製作所との連携で)、現在、高感度で100種を越えるアッセイ系が完成し、実サンプルの測定を開始している。また、500種を越えるリン脂質、リゾリン脂質の測定系も完成し、細胞刺激時、ガン化、また、脳や網膜などの組織におけるリン脂質組成の特徴などを明らかにしてきた。こうした研究を通して、5年間で53編の英文論文(Nature, Nature Med, J. Clin. Invest. Blood, Proc. Natl.Aacd. Sci. USAなどを含む)を公表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (22件) (うち招待講演 1件)
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