公募研究の最終年度として、当初の申請内容をほぼ完了した。 1)作文支援システム「なつめ」の構築を目標とし、日本語教育から利用する立場からBCCWJを評価することを中心課題として研究を進めた。 2)「なつめ」共起表現検索の機能として、「名詞」から「格助詞+用言]の検索、さらに「用言」から「名詞+格助詞」、「副詞」から「述部用言」が検索を可能にし、それを利用してBCCWJ野様座菜ジャンル別のコーパスにおける出現の様相を提示し、BCCWJの評価をした。 3)例文提示システムは、文字対照一致方式でジャンル別、レベル別で検索し、ジャンル別、文字長順、レベル別のフィルタ表示ができるようにし、データを精密に評価することで、検出時間も短縮し、学習者の利用しやすいインターフェースでの検索を可能にするべく研究を進めた。言語処理学会、日本語教育学会に例文表示許諾の要請をし、科学技術論文などのジャンルの表示も可能にした。 4)学習者誤用文を収集することで誤用例文データベースを構築に取り組んだ。現時点での共起表現提示・例文提示に加え、学習者が入力すると同時に、誤用データベースと照応することで誤用チェックをし、適切な表現ヒントを与えるシステムへの展開を開始した。 5)共起表現、例文表示に関連する言語習得理論、言語処理、教育工学に関連した論文を日本教育、言語処理の学会で多数発表した。
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