研究課題
本年度は、CERNにおいてLHCf実験のためのビームテストを実施するとともに、フィレンツェ大学のAdriani教授らの協力を得て高輝度ビーム用光電子増倍管読み出しシステムの検討を行った。ビームテストには鳥居のほか、大学院生1名が研究協力者として参加した。このシステムの主要部分であるPACE3チップを用いたフロントエンド回路を開発するため、現在シリコン用に開発されたシステムをパソコンと専用読み出しソフト(LabView)を用いて基本動作確認を行った。その結果、シリコンの正極性読みだしのままでも、シグナルレベルのシフトにより負極性読み出しが可能であることが確認された。したがって、負極性シグナルの読み出しそのものについては問題がないことが判明している。これらの基本動作テストを終了したのち、テストシステム-式がフィレンツェ大学グループから供給され、さらに詳しい動作特性のテストを早稲田大学において実施し、システム開発のためのデータを収集している。現在得られているデータでは、仕様書どおりの0.54fC-1.5pCのダイナミックレンジが確謬されており、このレンジに最適化した64アノードPMT(浜松ホトニクスR5900)の試作と極性反転用回路の設計を行っている。以上の開発研究と並行して、将来の高輝度ビーム実験に備えた装置全体の構成や、同じ種類の実験を予定しているCERN他の前方散乱実験チームとの共同実験に関する意見交換を行い、実験実施の可能性について検討している。
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Nuclear Instruments and Methodsin Physics Research A 578
ページ: 146-159
Proc. of the 30th International Cosmic Ray Conference, Merida, Mexico (in press)
Proc. of International Workshop for Cosmic-Rays and High Energy Universe
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