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2007 年度 実績報告書

電荷・軌道秩序相のミクロな摂動がもたらす巨視的光応答

研究課題

研究課題/領域番号 19014003
研究機関東北大学

研究代表者

石原 純夫  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30292262)

研究分担者 松枝 宏明  東北大学, 仙台電波工業高等専門学校, 助教 (20396518)
キーワード光応答 / 光誘起相転移 / X線分光 / 電荷秩序 / 軌道自由度 / 密度行列繰り込み群 / 遷移金属酸化物 / 強相関電子系
研究概要

1.多自由度秩序相における光照射効果:ペロフスカイト型マンガン酸化物を対象に、電荷秩序反強磁性絶縁体相における光照射効果について理論的解析を行った。ここでは拡張された二重交換模型を元に、時間依存動的密度行列繰り込み群法を用いて、光照射後の電荷、スピン状態の変化ならびに光吸収スペクトルの時間依存性を数値的に解析を行った。これにより光照射後に電荷秩序ギャップ内にスペクトル強度が出現し時間と共に成長すること、これが局在スピンの反強磁性相関の現象と連動していることを明らかにした。これらの数値計算の結果を元に、現実のマンガン酸化物における光照射効果の実験結果について考察を行った。
2.量子軌道模型における希釈効果:軌道秩序状態に軌道自由度を有さないイオンを導入するいわゆる軌道希釈効果が希釈磁性体と著しく異なる性質を示すことは以前の我々の研究と共鳴X線を用いた実験研究により明らかになっている。本年度の研究では以前の研究で考慮されていなかった量子効果が希釈軌道系に果たす役割を明らかにした。具体的には量子コンパス模型と呼ばれる2次元軌道模型を数値的に解析した。このために量子モンテカルロ法を軌道模型に適用できるようにアルゴリズムの改良を行った。数値計算の結果、希釈による転移温度の減少は希釈磁性体と比較して急激であること、しかしながら量子軌道系のそれは古典系の減少より緩やかであることが見出された。後者については軌道自由度特有な次元性の低下が量子揺らぎにより抑制された結果であり、「量子効果は秩序を破壊するという」通常の概念を覆すものであることを指摘した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Polarization Dependence of Resonant Inelastic Scattering Spectroscopy in Correlated Electron Systems2008

    • 著者名/発表者名
      S.Ishihara and S. Ihara
    • 雑誌名

      Jour. Phys. Chem. Sol.(掲載決定) (掲載決定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Photoinduced charge and spin dynamics in strongly correlated electron system2007

    • 著者名/発表者名
      H. Matsueda and S. Ishihara
    • 雑誌名

      Jour. Phys. Soc. Jpn. 76

      ページ: 083703-1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electric Polarization, Magnetoelectric Effect and Orbital State of Layered Iron Oxide with Frustrated Geometry2007

    • 著者名/発表者名
      A. Nagano, M. Naka, J. Nasu, and S. Ishihara..
    • 雑誌名

      Phys. Rev. Lett. 99

      ページ: 217202-1-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Impurity effects in orbital ordered systems2007

    • 著者名/発表者名
      S.Ishihara
    • 学会等名
      Moments and Multiplets in Mott Materials
    • 発表場所
      KITP, University of Santa Babara USA
    • 年月日
      2007-11-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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