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2008 年度 実績報告書

10ギガパスカル級高圧NMR法を用いた圧力誘起量子物性の探究

研究課題

研究課題/領域番号 19014007
研究機関名古屋大学

研究代表者

伊藤 正行  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90176363)

キーワード高圧 / NMR / 遷移金属酸化物 / 圧力誘起量子物性 / 超伝導
研究概要

圧力は、強相関電子系である遷移金属酸化物の物性を研究する上で、重要な外部パラメーターである。また、物性発現機構を研究する上で、核磁気共鳴(NMR)法は有効な測定手段であることはよく知られている。しかし、高圧下でのNMR実験においてこれまで汎用的に用いられてきたピストンシリンダー型圧力セルは、約3.5GPaまでの圧力しか発生できず、それ以上の圧力下でのNMR測定のためには新たな実験技術の開発が望まれていた。最近、我々の研究グループは、改良型ブリッジマンアンビルセルを用いて、室温で約10GPa、低温で約8GPaの超高圧下でのNMR実験に成功した。本研究では、このブリッジマンアンビルセルを用いた10GPa級高圧下NMR実験技術を確立し、遷移金属酸化物における新奇な高圧物性の探究を目指した研究を行った。前年度に引き続き、バナジウム酸化物で初めて発見された圧力誘起超伝導などの高圧物性が注目されている擬一次元導体β-Na_<0.33>V_2O_5に対して、ブリッジマンアンビルセルを用いた高圧下NMR実験を継続するとともに、ピストンシリンダー型圧力セルを用いて精密なNMR測定を約2GPaまで実施し、この系の温度圧力相図をより詳細に調べた。さらに、電荷秩序を伴った金属絶縁体転移を起こすことが知られているホーランダイト型バナジウム酸化物K_2V_8O_<16>を取り上げた。圧力下でのナイトシフトと核スピン格子緩和率の測定から、圧力によって金属絶縁体転移を抑制すると、新たな電子相が出現することを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] High-pressure ^<51>V NMR study of the magnetic phase diagram and metal-insulator transition in quasi-one-dimensional β-Na_<0.33> V_2 O_52009

    • 著者名/発表者名
      T. Suzuki, I. Yamauchi, Y. Shimizu, M. Itoh, N. Takeshita, C. Terakura, H. Takagi, Y. Tokura, T. Yamauchi, and Y. Ueda
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B 79

      ページ: 081101(R)-1-081101(R)-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 擬一次元伝導体β-Na_<0.33>V_2O_5の高圧物性2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木泰輔, 山内一宏, 井上晶次, 清水康弘, 伊藤正行, 竹下直,_山内徹, 上田寛
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会
    • 発表場所
      立教学院池袋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ホーランダイトK_2V_8O_<16>の高圧下NMR2009

    • 著者名/発表者名
      清水康弘, 伊藤正行, 竹下直, 磯部正彦, 山内徹, 上田寛
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会
    • 発表場所
      立教学院池袋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] Phase diagram under high pressure in the quasi-one-dimensionalsuperconductor β-Na_<0.33>V_2O_5 : NMR measurements2008

    • 著者名/発表者名
      M. Itoh, T. Suzuki, I. Yamauchi, Y. Shimizu, N. Takeshita, C. Terakura, T. Yamauchi, Y. Ueda, H. Takagi, and Y. Tokura
    • 学会等名
      The International Symposium on Anomalous Quantum Materials 2008 and the 7 th Asia-Pacific Workshop
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-11-08
  • [学会発表] 高圧NMR用ブリッジマンアンビルセルの改良とβ-Na_<0.33> V_2 O_5のNMR測定2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木泰輔, 山内一宏, 井上晶次, 清水康弘, 伊藤正行, 竹下直, 山内徹, 上田寛
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋季大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [備考]

    • URL

      http://i-ken.phys.nagoya-u.ac.jp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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