研究課題/領域番号 |
19014010
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40273510)
|
研究分担者 |
島川 祐一 京都大学, 化学研究所, 教授 (20372550)
齊藤 高志 京都大学, 化学研究所, 助教 (40378857)
|
キーワード | 強相関電子系 / 電子・電気材料 / 放射線・X線・粒子線 / 物性実験 |
研究概要 |
今年度は交付申請書に従って研究を進め、下記の成果を得た。 1. InFe_2O_4の磁場中誘電率測定を行った。フェリ磁性転移と電荷秩序が同時に起こるため、強磁場中では磁気相が安定となり、転移温度が上昇する様子を観察することが出来た。 2. CaFeO_3は電荷不均化に伴って斜方晶から単斜晶に結晶構造転移し、さらにスクリュー型の反強磁性秩序を示す。単斜晶の結晶構造とスクリュー磁気秩序が共存する場合に2次の非線形光学効果が発現する、との理論的予測がなされたため、この検証を行つた。残念ながら、非線形光学効果を観測することは出来なかった。 3. 高圧合成法によつて、新しいAサイト秩序型ダブルペロブスカイトLaCu_3Fe_4O_<12>の合成に成功した。放射光X線回折による構造解析とメスバウアー効果の測定から、この物質が室温ではLa^<3+>Cu^<3+>_3Fe^<3+>_4O_<12>の価数状態を持っており、昇温すると393Kで3Cu^<3+>+3e^-→3Cu^<2+>、4Fe^<3+>-3e^-→4Fe^<3.75+>と書き表される電荷移動が起こって、La^<3+>Cu^<2+>_3Fe^<3.75+>_4O_<12>となる事を見いだした。この際にペロブスカイトの骨組みを作るBサイトの鉄イオンが+3から+3.75に酸化されるため、絶縁体から金属に転移し、同時に1%の体積収縮(負の熱膨張)が起こることを発見した。
|