研究課題
金属-非金属転移近傍および超伝導転移を含む領域(ホウ素濃度にして19乗から22乗まで)にわたりホウ素濃度を系統的に変化させた、ホモエピタキシャル・ダイヤモンド試料をプラズマCVD法により合成し、フェルミレベル近傍の不純物順位やバレンスバンドの詳しい振る舞いやフォノンの分散を、角度分解光電子分光、逆光電子分光、X線吸収発光スペクトル、X線非弾性散乱などを用いて詳しく解析した。ダイヤモンドのバンレスバンドの電子構造は、ホウ素ドープにより基本的に変化することなく、金属伝導はフェルミ準位がバレンスバンド内に位置することによるものと考えられる。金属伝導を示す試料のバレンスバンド直上には、不純物バンドの片鱗は観測されず、既にバレスバンドにマージしているものと思われる。バンド分散から求めたキャリア濃度は、SIMS測定から求めたホウ素濃度の1/3から1/4程度に留まり、キャリア導入に貢献していないホウ素が多量に存在していることが示唆された。これらは、ホウ素がペアーやクラスターを形成しているためと考えられ、バンド計算により、ペアーを形成しているホウ素がキャリア導入に貢献しないことが理論的に確認された。より高いキャリア濃度を実現し、より高い超伝導転移温度を達成するためには、ペアーの形成を抑えることが必要である。
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