研究課題
平成20年度は、ニュージーランド(NZ)にある1.8m望遠鏡を使って申請者を含む日本のMOAのメンバーのべ18人とNZ現地観測者1名が観測を行った。観測は、3月から11月までの銀河中心が観測できる期間に、22領域合計50平方度内の星約1億個を1時間に1回観測した。特に7月頃は、これらの領域を1日12回も観測出来た。さらにこの内2領域は12分に1回と言う超高頻度で観測を行って追観測なしでも、地球サイズの惑星のシグナルを検出できる様にしてある。この様なサーベイ観測により、600個のマイクロレンズイベントをリアルタイムで検出し、世界中にアラートを発した。さらに、昨年完成した惑星アラートシステムを運用して惑星の検出をすすめた。実際に数イベントでリアルタイムでアノーマリーを検出し、惑星アラートを発する事に成功した。これらの観測の結果、今年度は2個の系外惑星を発見し、現在詳細な解析を行っている。さらに、2007年に観測されたイベントを解析した結果、主星が褐色矮星もしくは非常に軽いM-型星である惑星系を発見した。これはこれ迄に見つかった惑星系の主星としては最も小さいもので、この様な低質量星にも惑星が存在する事を初めて観測的に示した。平成19年度には、2006年のデータ解析の結果17個の増光期間が1日程度の短いイベントを発見したが、今年度はさらに2007年のデータの解析を行い、同程度の短増光期間イベントを検出した。これらは浮遊惑星の候補であると考えられる。シミュレーションで検出効率を求めて、これらの存在量を見積もった結果、浮遊惑星と思われる軽い天体が有為に存在する事が分かった。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Detection, Formation and Dynamics, Proceedings of the International Astronomical Union, TAU Symposium 249
ページ: 31-34
The Astrophysical Journal 684
ページ: 663-683
Experimental Astronomy 21
ページ: 51-66
http://www.phys.canterbury.ac.nz/moa/