研究分担者 |
菊池 武士 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10372137)
平田 勝弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00403139)
内藤 牧男 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40346135)
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (50346136)
田中 敏嗣 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90171777)
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研究概要 |
パワーアシストシステムやリハビリ支援システム等の人間共存型ロボットの開発は今後の超高齢化社会を目前として強く望まれている. しかし, このようなロボットシステムに対する安全性を考慮したアクチュエータの研究開発はほとんどなされていない. 本研究では, 高い安全性をもつMR流体クラッチを用いたコンパクトなアクチュエータの開発を行う. 本研究で開発するアクチュエータは定量的な安全確保(速度, エネルギの観点からの)が可能であり, しかも良好なバックドライブ性(出力側からアクチュエータを逆に動かせる程度)を持ち, かつコンパクト・軽量であり, 人間共存型ロボットに適する. このようなアクチュエータは他にない. MR流体とは磁場によりそのレオロジー特性が制御できる流体である. 上記の目的を達成するために, 本年度は(1)高結晶性Feナノ粒子の合成と表面制御について検討し、ナノ粒子分散系MR流体の可能性について確認した. ミクロン粒子のMR流体と異なって沈降することがないため, 今後の展開が大いに期待される.(2)MRアクチュエータの電制御方式および設計等に関する基礎を確立した.(3)MR流体クラッチとモーター, 減速機を一体化したコンパクトなMRアクチュエータを開発した.(4)MR流体を充填するギャップと各種特性の関係について検討を行った. 50ミクロンから500ミクロンの間のギャップについて検討を行い, 従来型の粒子径約10ミクロンのMR流体と本研究で開発したナノ粒子MR流体の特性の比較を行った. これにより得られた結果は, ナノ粒子MR流体の実用化の可能性を示唆するものである.
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