研究概要 |
イオンポリマーメタル複合体は、ナフィオンなどの導電性高分子に白金・金などの貴金属を化学めっきした複合体で、センサとしてもアクチュエータとしても動作する。1-3Vの電圧で大きな変位を発生し、任意形状に加工が可能で、無音で動作する、制御の容易な人工心筋のアクチュエータとして最適な材料である。平成19年度は、イオンポリマーメタル複合体の人工呼吸器回路内喀痰排泄用アクチュエータをより実用に近い形に試作した。また、センサとしての特性を計測し、パワーアシストハンド用センサを開発した。また、その電圧・電流に対する発生張力、応答変位特性を計測し、膜の変形メカニズムを検討するとともにアクチュエータ作成に最適な動作条件を検討した。成果を計測自動制御学会SI部門、SPIE Smart Structure and Material(San Diego,USA)および幕張メッセテクノフロンティア2008モーションエンジニアリング展に発表した。特定領域内共同研究として、森島(東京農工大)グループの筋細胞に対して,伊原(鈴鹿医療科学大)グループの成果である電解質アクチュエータを適用し,力学的・電気的に同時刺激できる新規ストレッチデバイスの共同開発が始まった。則次(岡山大学)グループの「空気圧ソフトアクチュエータの開発と人間親和メカニズムへの応用」に対して、伊原(鈴鹿医療科学大)グループの電解質アクチュエータの素材を、パワーアシスト把持装置のセンサとして応用し、パワーアシストを開始するタイミングを決めるトリガー信号検出に応用計画が進められている。
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