研究課題
液晶物質における伝導は、炭化水素鎖と芳香族π-共役電子系とがナノスケールで微視的に相分離した構造を持つため、電子、正孔が輸送可能な芳香族π-共役電子系から成る電子伝導チャネルとイオン種の輸送が可能な、流動性を持つ炭化水素鎖からなるイオン伝導チャネルの二つの伝導チャネルが本因的に形成されていることに起因する。本研究では(1)伝導機構の支配因子の解明とその制御、4(2)電極-液晶界面における電荷注入機構の解明、5(3)イオン種の電極界面との相互作用を利用した電荷注入の制御、(4)イオンー電子キャリアの共存に伴う新現象の開拓と応用のための基礎検討をテーマに研究を進めている。本年度は、この伝導チャネルを利用することによって、棒状液晶物資をモデルとして、ドーピングによるバルクキャリア濃度の制御の可能性について検討した。また、本研究を通じて明らかとなった液晶物質における不純物のイオン伝導に与える効果をもとに、最も粘性の低い低分子ネマティック液晶物質における伝導についても再検討を行い、その内因的な伝導が電子伝導によるものであることを明らかにした
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