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2007 年度 実績報告書

陽電子消滅法を用いたペロブスカイト型プロトン導電体のヘテロ界面の原子レベル分析

研究課題

研究課題/領域番号 19017012
研究機関大阪大学

研究代表者

荒木 秀樹  大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20202749)

研究分担者 白井 泰治  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20154354)
水野 正隆  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50324801)
キーワード陽電子 / 陽電子寿命 / ペロブスカイト構造 / プロトン導電体
研究概要

プロトン導電体BaZrO_3はペロブスカイト(perovskite)構造を有している。すなわち、比較的大きい陽イオン(Baイオン)と酸素イオンで最密充填構造を作り、小さくて電荷の大きい陽イオン(Zrイオン)が酸素6配位の位置を占めている。ペロブスカイト構造は一般に格子欠陥を有しやすい構造として知られており、BaZrO_3についても酸素欠損を生じやすいことが既に報告されているが、カチオン空孔については不明な点が多い。陽電子は電子の反粒子であり、その質量は電子と同じであるが、正の素電荷を有している。そのため、酸素空孔にはトラップされず、カチオン空孔に優先的にトラップされ、そこで消滅すると考えられる。そこで、本研究では、陽電子を用いて、ペロブスカイト型プロトン導電体BaZrO_3の原子レベル分析を行うにあたり、まずはじめに第一原理に基づいて完全結晶、Ba空孔、Zr空孔中の陽電子の寿命計算を行った。完全結晶中の陽電子寿命およびBa空孔にトラップされた陽電子の寿命計算は、Ba原子を中心にした約180個の原子クラスターを作成して、Zr空孔にトラップされた陽電子の寿命計算はZr原子を中心にした約140個の原子クラスターを作成してDV-Xα分子軌道法を用いて電子状態を求め、陽電子寿命を算出した。DV-Xα分子軌道法は基底関数に数値原子軌道を用い全電子を含めた計算を行う手法で、Xαポテンシャルを用いるので計算時間が短縮でき、複雑な系の計算も現実的な時間で行えるため利用した。計算の結果、BaZrO_3完全結晶中の陽電子寿命は約1.4×10^-10秒、Ba空孔中の陽電子寿命は約2.6×10^-10秒、Zr空孔中の陽電子寿命は約1.8×10^-10秒であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Molecular dynamics study of glass forming ability of Zr-based metallic glasses2007

    • 著者名/発表者名
      Kazuki, Sugita
    • 雑誌名

      Materials Transactions 48

      ページ: 1336-1339

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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