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2008 年度 実績報告書

陽電子消滅法を用いたペロブスカイト型プロトン導電体のヘテロ界面の原子レベル分析

研究課題

研究課題/領域番号 19017012
研究機関大阪大学

研究代表者

荒木 秀樹  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20202749)

キーワード陽電子 / ペロブスカイト型酸化物 / プロトン導電体
研究概要

高性能燃料電池の実現には優れたプロトン伝導性固体電解質の開発が必要であり、ペロブスカイト型酸化物はその有力候補である。特に、ペロブスカイト型酸化物SrZrO_3はプロトン導電性が発見されており、注目を集めている。しかし、プロブスカイト型酸化物SrZrO_3の欠陥構造については、プロトン導電性に影響を与えるにもかかわらず、不明な点が多い。そこで、本研究では、SrとZrの組成比を様々に変えたSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>中に存在するカチオン空孔濃度について明らかにするために、陽電子寿命測定を行った。
SrCO_3粉、ZrO_2粉、Y_2O_3粉を秤量し、部分安定化ジルコニア製の乳鉢内でエタノールを加えて混合した。乾燥させた後、1623K、10時間空気中でか焼した。その後、試料を再び乳鉢で混合し、265MPaの圧力を加えて直径17.2mmのディスクに圧粉した。ディスクは1923Kで50時間焼鈍を施し、焼結された。得られた焼結体のX線回折測定を行い、試料中に存在する結晶相の同定を行った。陽電子寿命測定は、線源に30μCiの^<22>Naを用いて、fast-fast timing coincidence systemにより室温で行った。得られた陽電子寿命スペクトルは、RESOLUTIONおよびPOSITRONFIT EXTENDEDを用いて解析した。
本研究で作製したSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料のX線回折測定を行ったところ、いずれの試料においても、ペロブスカイト構造を持つ相がただ一つだけ観測された。化学量論組成よりSr-richなSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料を作製したところ陽電子平均寿命は190ピコ秒を超える長い値を示した。これに対して、Sr-poorなSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料の陽電子平均寿命は180ピコ秒に満たない短い値であった。この結果により、Sr-poor組成において、陽電子を捕獲するカチオン空孔濃度は少ないが、Sr-rich組成においては陽電子を捕獲するカチオン空孔濃度は高いことが明らかになった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] First-principles study of vacancy formation in LaNi_52008

    • 著者名/発表者名
      Masataka Mizuno
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Condensed Matter 20

      ページ: 275232-1-275232-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electronic Structure and Bonding in Amorphous Zr_<67>Ni_<33> and Zr_<67>Cu_<33>2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Sugita
    • 雑誌名

      Advances in Quantum Chemistry 54

      ページ: 161-174

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relationship between Coercivity and Microstructural Changes During DR Treatment in the HDDR-processed Nd-Fe-Co-B Alloy2008

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Nishiuchi
    • 雑誌名

      IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering 3

      ページ: 390-393

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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