研究課題/領域番号 |
19018014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10181421)
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研究分担者 |
寺井 慶和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90360049)
斗内 政吉 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40207593)
市田 秀樹 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助教 (50379129)
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キーワード | 秩序制御 / 高次発光機能 / 発光ダイナミクス / 局所構造 / 希土類元素 |
研究概要 |
現在の半導体レーザ技術は環境温度に対する発振波長の不安定性など、根本的な問題を数多く内包している。本研究では希土類元素特有の発光特性(たとえば、希土類元素発光はバンド間遷移発光に比べて極めて高い波長温度安定性(0.001mm/K)を示す)に着目し、「電流注入による希土類発光準位を介する誘導放出」を用いた波長超安定新規半導体レーザ実現の可能性を探ることに最終目標を設定する。本硬究期間内(平成19〜20年度)では平成17〜18年度の研究成果を踏まえて、研究対象を実デバイス構造試料へ移し、電流注入によるEr励起・緩和機構を明らかにするとともに、その知見に基づくデバイス構造の設計・試作により、電流注入下での高次発光機能の発現に研究の焦点を絞った。 1.有機金属気相エピタキシャル(OMVPE)法によりEr添加濃度が極めて低いGaAs:Er,0(1x10^17cm^-3程度)を作製し、光励起によるEr発光特性の測定温度依存性を調べた。低温域で発現する新奇な発光挙動を観測し、Cの関与したオージェ過程によることを明らかにした。 2.それを活性層としたレーザ構造を作製し、GaAsバンド端レーザ発振の可能性と、バンド端レーザ発振がEr-20発光にえる影について調べた。希土類添加半導体を母体として初めて電流注入下でGaAsバンド端レーザ発振を観測することに成功した。また、自然放出領域では、注入キャリアによるオージェ過程によりEr-20発光強度が減少した。一方、誘導放出領域では、Er-20発光強度は一定値を示した。
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