研究課題
機能を効率よく発現させるパノスコピック形態の探索と制御を目指し、Tb改質NdFeB小型焼結磁石およびNdFeB系PLD厚膜磁石について主に透過型電子顕微鏡(TBM)を用いたナノ構造解析を行った。Tb改質NdFeB小型焼結磁石では、Kerr効果偏光顕微鏡(KEM)観察により光顕レベルで磁気的に特徴ある箇所を特定し、その箇所を集束イオンビーム(FIB)装置の走査イオン顕微鏡(SIM)像で探し出し、そこを狙ってFIBマイクロサンプリング加工を施すことにより、ナノレベルのTEM微細構造解析が可能となった。一方、Tb改質磁石内部の微細組織についてもTEM解析を行った結果、粒界3重点付近に存在するNd-rich相は単一相ではなく、Nd2_O_3結晶相とTb-richな非晶質相が混在した組織になっていることを見出した。この非晶質相がNd_2Fe_<14>B主層粒界の滑らかさ(パッシベーション)を改善し、保磁力を向上させるものと思われる。NdFeB系PLD厚膜磁石では、ターゲット-基板間に設置した加熱装置によりTa基板を加熱することで、堆積させた薄膜内の一部にc軸配向したコラム状Nd_2Fe_<14>B結晶粒組織が形成され、これが異方性発現に寄与することがわかった。Ta基板上にまず等方的なNd_2Fe_<14>B結晶粒が生成し、堆積が進むにつれて異方的な形態へと変化する。この際、コラム状組織の生成には再結晶が関与している可能性が高く、形成されるコラム結晶は堆積量に対する加熱時間の割合が増すほど長く伸びる傾向があることが明らかとなった。
すべて 2007
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