研究課題
本研究では、分子線エピタキシー(MBE)装置を用いて、Cr及びGdを縦型自己形成ナノ細線構造に添加し、実際に磁性不純物濃度及び細線形状を制御しやすいGaCrN及びGaGdNナノロッドを作製する。更に、それらの基本物性を明らかにし、スピンメモリデバイス作製を試みる。本年度は以下のような成果を得た。(1)GaGdNナノロッドはMBE法により、Si基板上に成長された。Gdの化合物の生成を抑えるために、成長温度をやや低くし、約550℃で成長を行った。走査型電子顕微鏡の観察により、成長温度を低くしてもGaGdNナノロッドの結晶成長ができることがわかった。(2)Gdセル温度を変え、異なるGd濃度のGaGdNナノロッドを作製し、その形状のGd濃度依存性を調べた。Gd濃度が高いほうが、ナノロッドの径が太くなるとわかった。磁化測定からGaGdNナノロッドが室温強磁性を示し、スピンメモリデバイスの基本材料として、要求している一つ重要な特性を持つことがわかった。(3)スピンメモリデバイスの一つ基本構造となるGaCrN/AIN多重量子Diskナノロッドを作製し、ナノロッド径は一様な太さで成長することが確認でき、スピンメモリデバイスでは欠かせないGaCrN/AINヘテロをナノロッド中に作製することができた。スピンメモリデバイスの作製に一つの大きな問題点を解決した。また、この様な構造もより磁気特性の良いGaGdNを利用して作製することができる。
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