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2008 年度 実績報告書

有機超強塩基触媒を用いる高度分子変換反応

研究課題

研究課題/領域番号 19020005
研究機関東北大学

研究代表者

根東 義則  東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)

キーワード有機超強塩基 / フォスファゼン / 有機金属 / 有機亜鉛 / 結合活性化 / 触媒 / 選択性 / 炭素アニオン
研究概要

炭素資源の高度分子変換を推進する上で新しい結合活性化の方法論の開発は不可欠である。有機塩基は有機合成化学において様々な選択的な変換反応に用いられ欠かすことのできない重要な反応剤である。フォスファゼン塩基は有機超強塩基の一つであり、目的に応じた精密な設計により効果的な触媒を創製することができると考えられる。本研究では遷移金属などの重金属類を用いない新しい高度分子変換のための触媒反応の開発を行った。このフォスファゼン塩基の選択的な結合活性化の機能を活用することにより、その触媒機能を開拓し、官能基選択性に優れた新しい炭素アニオン制御法としての概念を確立し、さらに高機能性フォスファゼン塩基をデザインし新触媒を創製することを目的とした。有機亜鉛化合物がフォスファゼン塩基で触媒的に活性化されることが示され、ジエチル亜鉛を用いるハロゲンー亜鉛交換反応においてもフォスファゼン塩基が有効であることがすでに見出され、この反応においては、生成した芳香族亜鉛化合物と親電子剤との反応にもフォスファゼン塩基が活性化剤として機能していることが示唆された。この有機亜鉛化合物の活性化を利用した選択的な変換反応について詳細な展開をはかり、その活性化機構については詳細なNMRスペクトル、IRスペクトルなど物理化学的な測定を行い、亜鉛上に配位することによりアート錯体とオニウム錯体が共存した形の付加体が中間体として形成され、これが高い反応性に寄与していることが示唆された。またキラルフォスファゼン塩基の合成化学への利用を検討するために、C2対称を持つフォスファゼンユニットを二つ配置したC2対称構造をデザインし、これらキラルフォスファゼン塩基を用いて有機亜鉛化合物のカルボニル基に対してエナンチオ選択的な付加反応を検討した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Catalytic Deprotonative Functionalization of Propargyl Silyl Ethers with Imines2008

    • 著者名/発表者名
      H. Naka, D. Koseki, Y. Kondo
    • 雑誌名

      Adv. Synth. Cat 350

      ページ: 1901-1906

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chiral bisphosphazides as dual basic enantioselective catalysts2008

    • 著者名/発表者名
      H. Naka, N. Kanase, M. Ueno, Y. Kondo
    • 雑誌名

      Chem. Eur. J 14

      ページ: 5267-5274

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enantioselective Arylative Cyclization of Allenyl Aldehydes with Arylboronic Acids under Pd(II)-diphosphine Catalysis2008

    • 著者名/発表者名
      H. Tsukamoto, T. Matsumoto Y. Kondo
    • 雑誌名

      Org. Lett 10

      ページ: 1047-1050

    • 査読あり
  • [学会発表] 電子供与剤による有機亜鉛化合物の活性化2008

    • 著者名/発表者名
      小林耕士、上野正弘、根東義則、中寛史
    • 学会等名
      第34回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      2008-11-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~rhenkan/lab/publicationslab.Html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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