研究概要 |
ピリジン環は多くの生理活性天然物、医薬・農薬中間体や機能性高分子材料の重要な骨格を占めており、有機合成上その重要性は高いにもかかわらず、効率的で高選択的な炭素骨格形成反応は余り報告されていない。本研究では、活性亜鉛末を用いるヨウ化アルキル、ビニルピリジン及びカルボニル化合物(またはニトリル類)の単一反応系での高選択的な二重炭素-炭素結合形成反応を種々検討した結果、対応する三成分連結生成物が簡便に且つ効率的に得られた。 窒素雰囲気下にて、高純度亜鉛末(99.9%)を懸濁させた乾燥N,N-ジメチルホルムアミドにビニルピリジン類、次いでカルボニル化合物(またはニトリル類)を加え、撹拌しながら穏やかに加熱還流させる。この還流溶液にハロゲン化アルキルのを溶かした乾燥DMF溶液(5ml)塗数滴滴下して激しい還流が終わった後、同じ乾燥DMF溶液を再び滴下し、穏やかな還流が保てるように加熱を調節する。滴下終了後、更に約4時間還流を続ける。反応後、塩基性条件下で後処理を行う。結果として、反応基質であるビニルピリジンのβ-位でハロゲン化アルキルが、α-位ではカルボニル化合物(またはニトリル類)がそれぞれ選択的に炭素-炭素結合を高選択的に形成し、対応する三成分連結生成物が好収率にて得られた。
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