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2008 年度 実績報告書

亜臨界水を利用する不活性炭素-水素結合の活性化

研究課題

研究課題/領域番号 19020028
研究機関京都大学

研究代表者

松原 誠二郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (90190496)

キーワード複素環 / ニッケル / カルボアミノ化 / 亜臨界水 / 水熱 / 触媒反応 / 環化反応 / 亜鉛
研究概要

炭素-ヘテロ原子結合を切断した後に不飽和結合を挿入するカルボヘテロアトム化反応は, 新たに炭素-ヘテロ原子結合と炭素-炭素結合を同時に形成することができるため原子効率の優れた反応である。次世代の有機合成反応として非常に魅力的であるため国内外で精力的に研究されているが, これまでの報告例は合成が簡単ではない小員環の大きな歪みエネルギー解放を利用した環拡大反応に限られていたため, 汎用性に乏しかった。一方, 本研究室では, 入手容易なカルボニル化合物の遷移金属触媒への酸化的付加と脱カルボニルを鍵反応に用いる事により, 炭素-ヘテロ原子結合の酸化的付加体等価体が反応系中で調製できる事に着目し, これを不飽和化合物のカルボヘテロアトム化反応に用いる事により, 複素環化合物の新規合成法を開発した。ニッケルなどの低原子価遷移金属触媒を用いることで, フタルイミドの炭素-窒素結合を活性化してアルキンと反応させるカルボアミノ化反応により, 医薬品合成中間体として有用なイソキノロン誘導体が効率的に合成できる事を見いだした。本反応は,きわめて入手の容易なアミド化合物と不飽和化合物を組み合わせることによって, 別法では合成が簡単ではない多様な構造を有する含窒素複素環化合物を一段階で合成できる。また, ニッケル触媒と塩化亜鉛を共触媒として用いることで, 無水フタル酸のアルキンへの脱カルボニルを伴った付加反応が同様に進行する事を見いだした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Nickel-Catalyzed Decarbonylative Addition of Anhydrides to Alkvnes2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kai ita, T. Kurahashi, S. Matsubara
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 130

      ページ: 17226-17227

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nickel-catalyzed decarbonylative addition of phthalimides to alkynes2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kaiita, S. Matsubara, T. Kurahashi
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 130

      ページ: 6058-6059

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Iron (II) chloride-mediated addition of dialkylmagnesium to carbonyl compounds2008

    • 著者名/発表者名
      M. Sada, S. Matsubara
    • 雑誌名

      Chem. Lett. 37

      ページ: 800-801

    • 査読あり
  • [学会発表] アルキンへの炭素-窒素または炭素-酸素結合の付加を用いた新規ヘテロ環化合物合成法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      倉橋拓也, 松原誠二郎
    • 学会等名
      第55回有機金属討論会
    • 発表場所
      大阪府立大中百舌鳥キャンパス
    • 年月日
      2008-08-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.dfm.kuic.kyoto-u.ac.jp/Website/Publication.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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