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2008 年度 実績報告書

前周期遷移金属錯体の柔構造の自在制御による新重合触媒の創成

研究課題

研究課題/領域番号 19020035
研究機関大阪大学

研究代表者

真島 和志  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)

キーワード触媒 / タンタル / オリゴメリゼーション / メタラサイクル / 3量化 / エチレン / 1-ヘキセン
研究概要

ポリエチレン系材料の一つとして、エチレンとα-オレフィンの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレンの需要が高まる中、コモノマーとなるα-オレフィンの選択的合成に関する研究が活発に行われている。その合成法としては一般に、遷移金属触媒によるエチレンの多量化反応力が挙げられるが、生成物はSchultz-Flory分布によるため合成後の分離精製が必要となるプロセスであった。そこで最近では、チタンやタンタル、クロムといった前周期遷移金属の低原子価錯体を用いて、1-ヘキセンや1-オクテンの高選択的な合成法が報告されつつある。これらの反応では、触媒活性、および選択性をコントロールする最も大きな要因は金属中心回りの配位子であることがチタンやクロムを用いた触媒系において報告されている一方、タンタルを用いた場合には、その触媒活性種となる低原子価の3塩化タンタルの発生方法が触媒反応に大きな影響を与えることが知られている。
最近、ビス(シリル)シクロヘキサジエン誘導体が前周期遷移金属塩化物に対して還元剤として作用し、副生成物となる金属塩の生成を伴うことなく低原子価種を発生させることができることを見出した。そこで本手法をエチレンの多量化反応に適用したところ、触媒活性種となる三塩化タンタルが選択的に生成するため、従来の金属試薬を用いた還元手法に比べて1-ヘキセン生成が高活性かつ高選択的に進行することを見出した。また、本触媒系の中間体に関する知見を得るため、NMRチューブ中、エチレン雰囲気下で還元反応を行って直接生成した化学種を観測したところ、5員環メタラサイクルと考えられる化学種に基づくシグナルを^1H NMRにおいて確認することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rare-Earth Metal Bis(dimethylsiyamide)Comlexes Supported by Cyclooct atetraenyl Ligands2009

    • 著者名/発表者名
      C. Meermannら(他4名)
    • 雑誌名

      Eur. J. Inorg. Chem.

      ページ: 76-85

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Controlled Beuzylation of r-Diimine Ligands Bound to Zirconium and Hafnium : An Alternative Method for Preparing Mono-and Bis(amido)M(CH_2Ph)_n(n=2, 3)Complexes as Catalyst Precursors for Isospecific Polymerization of α-Olefins2009

    • 著者名/発表者名
      H. Tsurugiら(他4名)
    • 雑誌名

      Organmetallics (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis, Characterization, and Reactions of Tantalum-Benzylidene Complexes bearing Diazadiene and Pentamethylcyclopentadienyl Ligands2009

    • 著者名/発表者名
      H. Tsurngiら(他4名)
    • 雑誌名

      Organmetallics (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Benzylation of α-Diimine Ligands Bound to Group 4 Metals : A New Convenient Route to Olefin Polymerization Catalysts2008

    • 著者名/発表者名
      K. Mashima, R. Ohnishi, H. Kaneko, and H. Tsurugi
    • 学会等名
      国際有機金属会議
    • 発表場所
      Rennes, France
    • 年月日
      2008-07-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.organomet.chem.es.osaka-u.ac.jp/japanese/index.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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