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2007 年度 実績報告書

ジアリールジエンインのタンデム環化による新規ジアリールエテン類の合成と光異性化

研究課題

研究課題/領域番号 19020041
研究機関大阪大学

研究代表者

戸部 義人  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60127264)

キーワード連続環化反応 / ジアリールエテン / 光異性化 / フォトクロミズム / 遷移金属触媒
研究概要

本研究では、新たな高性能フォトクロミック系の構築を行うことを目的とし、チオフェン環を含むジチエニルジエンインの触媒的タンデム環化反応による縮環ジチエニルエテン類の合成とそれらの光異性化について検討した(課題1)。また、関連するアセチレン誘導体の連続環化反応として、ジチエニルジエンインの熱的環化反応を用いる多環状チオフェン誘導体の合成(課題2)およびジエチニルベンゼンの白金触媒によるBergman型環化反応(課題3)についても検討した。
(課題1) 縮環ジチエニルエテンの吸収波長の差を拡大する目的で、ドナー・アクセプター性置換基を持つ連続環化の前駆体であるジチエニルジエンインを合成した。また、フルベン構造が化合物の物性に及ぼす影響について調べるため、5員環部分が飽和のトランス型ジチエニルエテンを合成し、その光照射により、シス異性体が生成することを見出した。
(課題2) ジチエニルジエンインの真空熱分解により、チオフェン環の向きとナフタレン環への縮環位置の異なる数種類のナフトジチオフェンが生成することを、生成物を丹念に分離しNMRや理論計算に基づいてそれらの構造を決定することにより明らかにした。
(課題3) 塩化白金触媒のルイス酸としての作用と分子内の求核性置換基の攻撃を引き金とする見かけ上のBergman環化によりナフトフラン誘導体が良好な収率で得られることを見出した。種々の基質について反応を行うことにより、本反応は末端アルキンに関して知られている反応機構とは異なり、白金塩が三重結合に配位することにより進行することを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two-Photon Absorption Properties of Dehydrovenzo[12]annulenes and Hexakis(phenylethynyl)benzenes:Effect of Edge-Linkage2007

    • 著者名/発表者名
      Kamada, Kenji
    • 雑誌名

      ChemPhysChem 8

      ページ: 2671-2677

    • 査読あり
  • [学会発表] チオフェン環を有するジチエニルジエンインの連続環化による新しい多環芳香族化合物の合成に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      福田, 浩志
    • 学会等名
      第1回有機Π電子系シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20071207-08
  • [学会発表] Two-photon Absorption Property of Multiply Fused Dehydrobenzo[12]annulene and the Related Compounds2007

    • 著者名/発表者名
      Kamada, Kenji
    • 学会等名
      12th International Symposium on Novel Aromatic Compounds
    • 発表場所
      Hyogo
    • 年月日
      20070722-27
  • [図書] Cyclic Arylalkynes, in Science of Synthesis, Ed. Hopf, Henning2008

    • 著者名/発表者名
      Tobe, Yoshito
    • 出版者
      Georg Thieme Verlag
  • [図書] ポリインの合成, 「電子共役系有機材料の創製・機能開発・応用」 檜山, 為次朗 監修2008

    • 著者名/発表者名
      戸部, 義人
    • 総ページ数
      98-105
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [備考]

    • URL

      http://cobalt.chem.es.osaka-u.ac.jp/tobe/index-j.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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