研究課題/領域番号 |
19021005
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
叶 直樹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40317293)
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研究分担者 |
清水 史郎 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 専任研究員 (30312268)
近藤 恭光 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (80333342)
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キーワード | 低分子マイクロアレイ / 低分子アフィニティービーズ / リガンドスクリーニング / 蛋白質機能モジュレーター |
研究概要 |
研究実施計画に従い研究を行った。RFP結合型リコンビナント蛋白質を過剰発現させたヒト培養細胞の抽出液をそのまま低分子マイクロアレイを用いたバインディングアッセイに供する手法を光親和型低分子マイクロアレイ用に最適化して、各種蛋白質(疾病の原因蛋白質等)に対するリガンドスクリーニングを行った。約8,000種類の化合物を固定化した天然および非天然由来低分子マイクロアレイに対して、100種類を超える蛋白質に対してリガンドスクリーニングを実施し、幾つかの新規な蛋白質-リガンドペアを見いだした。これらについてはITC(等温滴定カロリメトリー)等を用いた結合実験で相互作用を確認した。 さらに、前年度までに化合物固定化アフィニティービーズを用いて同定された、天然由来砕骨細胞分化阻害物質と解毒酵素グリオキサラーゼ1の相互作用と生物学的な意味に関する解析を共同研究者らと行い、(1)この天然由来砕骨細胞分化阻害物質はグリオキラーゼ1と直接結合してその酵素活性を基質競合的に阻害すること、(2)グリオキサラーゼ酵素活性の阻害が砕骨細胞前駆体から砕骨細胞への分化阻害を引き起こすこと、(3)メチルググリオキサール処理が砕骨細胞前駆体から砕骨細胞への分化の阻害を引き起こすこと、および、(4)化合物とグリオキサラーゼ1の共結晶解析による詳細な相互作用機構の解析、を行い、この天然由来砕骨細胞分化阻害物質がグリオキサラーゼ1の新規な機能モジュレーターになることを明らかにした。
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