研究課題/領域番号 |
19021006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 宏之 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (10375199)
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研究分担者 |
横尾 正樹 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教 (10396541)
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キーワード | 電気化学顕微鏡 / 細胞呼吸 / 単一細胞計測 / ミトコンドリア / 細胞機能解析 / 電気化学イメージング / 無侵襲計測 / 生殖細胞 |
研究概要 |
本研究では、電気化学的呼吸計測技術を応用した非侵襲的細胞間ネットワーク解析システム構築のための基盤技術開発を目的に、酸素の還元電位を検出するマイクロ電極をプローブとする走査型電気化学顕微鏡(SECM)をベースに高精度細胞呼吸計測システムの開発を目的とした。本年度は、以下の研究成果が得られた。 1.単一細胞の呼吸計測を目的にマイクロ電極の感度向上を試みた結果、酸素の還元条件下-0.6V、計測レンジ1nA、電流値-0.2〜-1.0nAの感度で計測可能なマイクロ電極の作製に成功した。 2.高感度呼吸計測のための測定液のベースとなる培養液の探索を行った。その結果、培養液の組成によりマイクロ電極の計測感度が異なること、胚培養用のTCM199培地及びHTF培地が呼吸計測に適することが明らかになった。 3.高感度マイクロ電極とTCM199又はHTF培地を用いてマウス、ウシ、ブタの未成熟卵子の呼吸量を計測した。その結果、全ての動物卵子の呼吸計測に成功すると共に、卵子成熟過程における呼吸能変化のモニタリングが可能であった。 以上、走査型電気化学顕微鏡を用いた単一卵子(細胞)呼吸計測の基盤技術が確立できた。
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