研究課題/領域番号 |
19021036
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 雅宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10211921)
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研究分担者 |
神谷 典穂 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50302766)
丸山 達生 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30346811)
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キーワード | ナノキャリヤ / 遺伝子導入 / DDS / ハイブリダイゼーション / タンパク質 / 薬物導入 / 界面活性剤 / リボソーム |
研究概要 |
本研究では、細胞膜類似構造を有する脂質ナノベシクルをプローブ分子導入のキャリアとし、この脂質ナノベシクルに細胞膜結合能および融合能を付与することにより、目的プローブ分子を効率的に細胞内に導入するキャリヤを構築した。 相補的な24mer DNA界面活性剤を挿入したそれぞれのリポソームを混合し、凝集体をTEM観察した結果、調製した200nmサイズのリポソームが数多く集まって形成されていることが確認された。リボソームにDNAを組み込むことにより、リポソームの会合体を形成できることが示された。さらに、会合体を形成した後、繰り返し昇温(70℃)、降温(30℃)させ、450mmにおける濁度変化をUVにより測定した結果、昇温、降温によって、濁度の上昇、低下が連続して起こり、DNAの解離・結合により、会合体の形成・崩壊が制御可能であることが明らかとなった。 つまり溶液中のナノ集合体の中から、自分が融合させたい複数の集合体のみを会合させることができることが示された。形成された会合体はDNAの解離温度によって崩壊、再形成を繰り返し行うことが出来る、つまり、温度可逆性を有している。また、作成したDNAベシクルにより、細胞に特異的に吸着できることが示された。次年度は、より膜親和性の高い疎水場の開発により、さらに厳密・微細な構造体の構築を目指す。また、細胞に代わって、ブタの皮膚を利用した薬物導入(経皮吸収)の実験を試みる予定である。
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