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2008 年度 実績報告書

核酸界面活性剤と脂質ナノベシクルを用いたプローブ分子細胞内送達システムの創製

研究課題

研究課題/領域番号 19021036
研究機関九州大学

研究代表者

後藤 雅宏  九州大学, 工学研究院, 教授 (10211921)

研究分担者 神谷 典穂  九州大学, 工学研究院, 准教授 (50302766)
キーワードDDS / マイクロエマルション / 分子集合体 / DNA界面活性剤 / リポソーム / ベシクル / 会合制御 / 経皮吸収
研究概要

近年、任意の配列・長さを持ったDNAを容易に合成・修飾することが可能となり、DNAは遺伝子以外の機能を持った'ナノ構造体制御素子'として注目されている。本研究では、相補的なDNAを膜表面に組み込んだリポソームを調製し、DNAの特異的な二本鎖形成能を利用して、秩序性を持った会合体の形成-崩壊の制御について検討した。さらに、形成させた会合体を融合させることによる遺伝子導入キャリアの可能性についても議論した。相補的な24mer DNA界面活性剤を挿入したそれぞれのリポソームを混合し、室温で静置した結果、凝集体が形成された。この凝集体をTEM観察した結果、調製した200nmサイズのリポソームが集まって形成されていることが確認できた。リポソームにDNAを組み込むことにより、リポソームの会合体を形成できることが示された。DNA界面活性剤を挿入したリポソームで会合体を形成した後、繰り返し昇温(70℃)、降温(30℃)させ、濁度変化を田により測定した。その結果、昇温、降温によって、DNAの解離・結合に基づく、会合体の形成・崩壊が制御可能であることが明らかとなった。リポソームDNA複合体調製時の緩衝液濃度を2mMに下げ、会合体形成に及ぼす塩強度の効果を検討した。DNAの結合を促進させるため、MgCl_2を10mM添加した結果、極短時間で濁度の上昇が確認された。DNAにより、リポソーム会合体を形成させる場合、塩強度が高いほどDNAのハイブリダイゼーションが促進され、リポソームが会合しやすいことが示された。形成された会合体はDNAの解離温度によって崩壊、再形成を繰り返し行うことが出来る、つまり、温度可逆性を有していることが示された。また、用いるDNAの鎖長により、マイクロサイズの会合体形成や会合体から融合体への形態誘導力河能となり、プローブ送達キャリアとしての可能性を示すことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Directed aggregation and fusion of lipid vesicles induced by DNA-surfactants2008

    • 著者名/発表者名
      T. Maruyama, M. Goto et.al.
    • 雑誌名

      Colloids and Surfaces B : Biointerfaces 66

      ページ: 119-124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design and in vivo evaluation of solid-in-oil suspension for oral delivery of human growth hormone2008

    • 著者名/発表者名
      H. Yoshiura, Y. Tahara, N. Kamiya, M. Goto
    • 雑誌名

      Biochemical Engineering Journal 41

      ページ: 106-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A solid-in-oil nanodispersion for I anscutaneous protein delivery2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Tahara, N. Kamiya, H. Piao, E. Hayakawa, T. Fujii, M. Goto
    • 雑誌名

      J. Control. Release 131

      ページ: 14-18

    • 査読あり
  • [学会発表] 生体分子のナノコーティング(S/O)技術を用いた経皮吸収製剤の開発2008

    • 著者名/発表者名
      後藤雅宏
    • 学会等名
      化学工学会第40回秋季大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-09-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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