研究課題
細胞への磁性化として、Protein Aを発現した磁気ナノ粒子に加え、Protein Gを発現した磁気ナノ粒子を用いた。Protein Gを用いることによりMouse lgG1由来の抗体(抗CD19抗体)を直接粒子上に固定化することが可能となり、Raji細胞(CD19陽性細胞)へ1段階の反応による、磁気粒子標識が可能である。磁気ナノ粒子に抗CD19抗体及びCy3標識を行い、本粒子を用いたRaji細胞の標識を行った。さらに上記CD19抗体とは別のエビトープを認識するAlexa488標識抗CD19抗体を用いて細胞を染色し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察を行った。1細胞上に生じたCy3及びAlexa488の蛍光分布をもとに抗原部位と磁気ナノ粒子の分布を評価した結果、2つの蛍光は93%以上の重複がみられた。本結果より、磁気ナノ粒子を用いた細胞の磁性化は抗原部位特異的に行えていることが示された。次にSi単結晶基板上に幅が同じとなる亀裂を膜表面に形成させるよう、無電解めっき法を用いてCoNiFe面内軟磁性膜を成膜した。このCoNiFe無電解めっき膜は高い飽和磁束密度を有するもので、亀裂から強い磁力が発生するものと期待された。マイクロサイズの磁気ビーズまたはポリスチレンビーズ及び磁性化した細胞をそれぞれ亀裂が生じているCoNiFe磁性膜上に導入し洗浄後、基板表面の顕微鏡観察を行った。その結果、亀裂に沿ってマイクロ磁気ビーズまたは細胞がアレイしていることが観察された。一方、ポリスチレンビーズにおいては、亀裂上には観察されず、磁性化されたビーズまたは細胞が亀裂上に生じている局所的な磁束密度の増大によりアレイされていることが推察された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
J. Phys. D: Appl. Phys. 41
ページ: 55003-55006