研究課題
本研究では、ポリジシリンの合成におけるモノマーとして、アセチレンのケイ素類縁体であるケイ素-ケイ素三重結合化合物ジシリンの合成と反応性を検討した。また、ケイ素π共役ポリマー創製の第一段階として、二つのケイ素=ケイ素二重結合が共役した分子であるブタジエンケイ素類縁体の新規な合成法を検討し、その構造、物性についても検討した。1.三重結合ケイ素化合物ジシリンの物性及び反応性を明らかにすると共にそれらに対する置換基の電子的、立体的効果を評価した。特にエチレンやアセチレン類などの不飽和炭化水素との反応でハイブリット共役ポリマーへの目的から重点的に検討した。ジシリンはエチレンなどの単純なオレフィン類と室温で容易に反応し、対応する[2+2]環化付加体を生成した。また、シスブテンやトランスブテンとも立体特異的に[2+2]環化付加反応を起こすなど三重結合ケイ素化合物ジシリンの特異的な反応性を明らかにした。2.共役二重結合ケイ素化合物を合成する目的で同一ケイ素上が二つの求核反応点となるジリチオシラン化合物の実用的な合成法を開発し、ジハロシラン類との反応によるケイ素=ケイ素二重結合化合物の新規合成法へと展開するとともに二重結合ケイ素化合物を前駆体として新たにビニルリチウムのケイ素類縁体を合成する方法を開発した。この化合物を一電子酸化反応することによって2つのケイ素=ケイ素二重結合が共役したテトラシラブタジエンを合成することができた。
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http://nao.chem.tsukuba.ac.jp/sekiguch/index.html