本年度は、共役ポリマーの階層構造制御及び電気特性評価を行った。また、平成19年度に引き続き、ドメイン選択的複合化法の確立を目指し、テンプレートであるブロック共重合体薄膜の除去及び独立型導電性高分子ナノワイヤアレイの作製を検討した。具体的には、ブロック共重合体薄膜を塗布したITO基板を作用極として、ポリピロールの電解重合を行った。これまで検討してきた水溶液に変わり、溶媒にプロピレンカーボネートを用いることにより、ブロック共重合体中の親水性ドメインであるPEOナノシリンダー部位に選択的にポリピロールの成長が確認され、FE-SEM観察から、流した電気量に相当する長さのポリピロールワイヤの作製に成功した。後半では、このポリピローワイヤの電気伝導度測定を行った。バルクのポリピロール膜に比べて、電導度は劣るものの、垂直配向に由来する電気伝導の異方性が確認された。
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