研究概要 |
次世代超高速光通信を実現するためのサブシステムとして、任意の高速光波形を自在に出力可能な信号源が求められている。申請者らのグループでは、任意の高速光パケット生成に向け、アレイ導波路回折格子(AWG)を用いたデジタル光パルスシンセサイザの開発を進めてきた。デジタル光パルスシンセサイザは、光周波数コムスペクトルを空間波形に変換し、各位置における光波の位相と振幅、すなわち光周波数コムスペクトルの位相と振幅を制御する時空間変換光信号処理を行うことで任意の光パケットを合成する。 19年度の研究は、申請者らが今までの研究で開発した光パルスシンセサイザを用い、任意の光パルス列を即座に出力可能なシステムを実現することを目的とした。具体的には、光パルス列と制御信号の対応表であるルックアップテーブルを作成し、制御信号を実時間で変化させるシステムの構築を目標とした。 1年間の研究で、光パルスシンセサイザのフィードバック制御により、lOOGbps, 8bitの任意RZ光パケット生成を自動生成することに成功した。更に、光パケットと制御信号の対応表であるルックアップテーブルを作成することで、これらのパケットを瞬時に切り替えて発生することが可能となった。 今後、このような任意光パケットの生成システムは、光符号多重通信(OCDM)でのパケットルーティングにおけるヘッダ認識や、高速変調など、様々な次世代フォトニックネットワークヘの応用が期待される。
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