InAIGaAs/InAIAs高速半導体光スイッチについて、これまでに低電流動作が得られたマッハ・ツェンダ干渉計構造において実用上重要な偏光無依存動作の実現にまず取り組んだ。偏光依存性の原因の解明により、MM導波路はハイメサ構造、屈折率変調領域はミドルメサ構造というハイブリッド構造を採用することとし、また同時に導波路は完全単一導波路化とした結果、偏光無依存で-20dB以下の低クロストーク、約5mAの低スイッチング電流、数nsの高速動作という高性能なデバイスを実現した。これらの成果をIEEE Photonics Technology Letters誌に投稿した。偏光無依存動作の実現に時間を要し、10Gb/sでの誤り率測定及び4×4の多ポート化を実現することが出来なかったが、現在鋭意検討を進めている。 また高速光スイッチと光ファイバ遅延線を用いた光バッファについて、まず低損失動作のためのスポットサイズコンバータ(SSC)の検討を行い、InP系光スイッチ上に高屈折材料であるが熱膨張係数の異なるSi膜をスパッタ堆積するためにGeをドープすることによりクラックのない良好な膜が形成出来ることを明らかにし、現在SSGへの適用を検討している。 光パケットスイッチングでのインターコネクション用低コスト汎用光スイッチとしてポリマーを用いた熱光学(TO)効果変調マッハ・ツェンダ干渉計型光スイッチを作製し、導波路構造や電極構造などの最適化により、最小の3.5mWという低消費電力動作を実現すると共に、約100μsというTO効果用いたポリマー光スイッチとしては実用的な構造対して高速なスイッチング動作を実現した。また波長選択光スイッチング動作に適用可能なポリマー光フィルタ用回折格子付導波路を、量産性に向いたナノインプリント法で作製し、初期的な特性を得た。
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