研究課題
平成19年度には、ボランティアコンピューティングによるデータマイニングの高性能化を実現するために、膨大な数の計算資源間の動的負荷分散を実現するための分散協調型の動的負荷分散機構を提案し、その有効性を明らかにした。さらに、その動的負荷分散機構をBOINC上に実装し、BOINCサーバがボランティアコンピューティングプラットフォーム全体の性能のボトルネックになる問題を分散協調型負荷分散機構によって解消できることを、情報爆発計算プラットフォームInTriggerを用いた大規模分散計算の実証実験によって明らかにした。さらに、ボランティアコンピューティングによるデータマイニングを安全・安心化させるために、Cellプロセッサの有するハードウェア著作権保護機構を用いて、耐タンパー性を高めた高性能データマイニングアルゴリズムの設計と評価を行った。その結果、暗号処理に関するオーバヘッドは大きいながらも、通常のマイクロプロセッサでの安全性の低いデータマイニングよりも、本方式の方が依然として高速であることが明らかになった。関連して、ボランティアコンピューティングの信頼性を高めるための仕組みとして計算結果の妥当性を効率的に確認する方法も提案し、予備的な実験から、不正なボランティアの存在下においても計算結果の妥当性確認作業を効率化できることを明らかにした。また、無数の計算資源から条件を満たす計算機を効率よく検索するための仕組みとして従来から提案している自己組織化資源管理機構について、その検索効率をさらに高めるための研究を行い、最適化のための重要な成果が得られた。
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ページ: 1214-1228
Proceedings of the First International Workshop on Security, Trust and Privacy in Grid Environments (STPG2008) (採録決定済み)
Proceedings of the 38th Annual IEEE/IFIP International Conference on Dependable Systems and Networks (DSN2008) (採録決定済み)
Proceedings of SAINT2008 Middleware Workshop (採録決定済み)
Proceedings of DAS-P2P 2008 Workshop (採録決定済み)
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