研究概要 |
近年,World Wide Web上の検索エンジンを使って,様々な「調べ物」や[探し物」をすることが日常化している.しかし,Webには統制がないため,必要な情報だけを選別し,複数の情報を結び付けて解を見出すといった知的な活動はユーザにゆだねられている.本研究は,Web上の客観情報や主観情報をオンラインマニュアルのような知識コンテンツとして自動的に体系化することで,キーワード検索やカテゴリ検索では扱うことが難しい高度な知識検索の枠組みを実現する.困った状況にあるユーザに対して,問題解決となるー「ノウハウ(know-how)」の検索や,誰に聞けば詳しく分かるのかといった「ノウフー(know-who)」の検索,その問題に対する「人々の意見や考え」の検索を実現する.平成19年度は,人々の意見や考えに焦点を当てた.具体的には,時事問題などのトピック(「赤ちゃんポスト」や「教育バウチャー制度」など)に関する賛成意見と反対意見を収集し,それぞれの立場を支持する論点を抽出し,2次元平面上に可視化することでユーザの意思決定を支援する手法を提案した.知識検索の実現には,GoogleやYahoo!などの商用サービスで提供されているようなWebぺージ検索をミドルウェアとして利用し,上層の技術について研究する必要がある.他者のサービスに依存せずに研究を進めるためには独自の基盤技術を有することが重要である.そこで,Web検索基盤についても取り組み,検索質問の自動分類手法を提案することでWeb検索の精度を向上させた.
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