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2008 年度 実績報告書

予期的行為の相互参照を通じた介護場面におけるロボットの依頼理解

研究課題

研究課題/領域番号 19024013
研究機関埼玉大学

研究代表者

久野 義徳  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10252595)

研究分担者 小林 貴訓  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20466692)
山崎 晶子  東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
キーワード知能ロボティックス / ユーザィンターフェース / 社会学 / エスノメソドロジー / コンピュータビジョン / 介護 / サービスロボット / 非言語コミュニケーション
研究概要

高齢化社会をむかえ介護が大きな問題になってきている。介護を受ける高齢者や身体の不自由な方は、IT機器の操作にも困難を覚える場合が多い。機器の操作というのは、基本的には機器にしてもらいたいことを伝える依頼である。一方、介護場面においては介護者に対して、あまり言葉を用いなくても依頼ができているように思われる。これまでの介護施設での観察により、介護場面ではことば以外の行動で意図を伝達する場合が多いことを確認している。ただし、その伝達は介護者が被介護者の行動を見るという一方的なものではなく、介護者と被介護者による協同的なもの、すなわち双方の予期的な調整行為の相互参照によることがわかってきた。本研究では、このような人間同士の円滑な依頼の伝達法を実際の高齢者介護施設における調査により明らかにし、そこで得られた知見をもとにロボットシステムを開発する。そして、このようなロボットに対して人間がどのように反応するか検討し、このような協同的な作業が人間とロボットの間でも有効かどうかを明らかにする。
昨年度に行った高齢者介護施設での依頼の開始場面の分析から、高齢者から依頼のしやすいロボットを実現するためには、高齢者の非言語行動を認識するとともに、それに応じて非言語行動により対応可能性や受け手性を示さなければならないことがわかった。そこで、これらの行動を示すことのできる基礎実験用ロボットを開発した。そして、被験者を用いた実験で、このような行動を示すロボットが人間に親近感や安心感を与えることを明らかにした。その結果に基づき、実際の高齢者介護施設で評価実験の行えるロボットを設計した。そのロボットについては、現在、製作を進めている途中である。今後、このロボットを完成し、実際の介護施設で実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢者介護施設におけるコミュニケーションチャンネル確立過程の分析と支援システムの提案2009

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩, 丹羽仁史, 岡田真依, 山崎敬一, 小林貴訓, 久野義徳, 山崎晶子
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌 50

      ページ: 302-313

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 介護ロボットのための視覚情報によるコミュニケーションの開始2008

    • 著者名/発表者名
      久野義徳
    • 雑誌名

      映像情報インダストリアル増刊号 40

      ページ: 31-65

  • [雑誌論文] Importance of Vision in Human-Robot Communication : Understanding Speech Using Robot Vision and Demonstrating Proper Actions to Human Vision2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kuno, M. Kawashima, K. Yamazaki, and A. Yamazaki
    • 雑誌名

      D. Monekosso, P. Remagnino, and Y. Kuno (eds. ), Intelligent Environments : Methods, Algorithms and Applications, Springer

      ページ: 191-210

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鮮介護施設にみる会話構造-日常生活支援における自/他の会話

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩
    • 雑誌名

      保健医療社会学論集 (未定)(採録決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 介護ロボットのための距離画像を用いた複数人からの依頼理解2009

    • 著者名/発表者名
      全文星, 小林貴訓, 久野義徳
    • 学会等名
      電子情報通信学会2009年総合大会
    • 発表場所
      愛媛大学(松山)
    • 年月日
      2009-03-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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