研究概要 |
実環境で頑健に動作する情報システムを構築するために、多岐にわたる情報科学技術の諸分野を融合する必要性が高まっている。我々は、平成14年度から18年度まで実施された、東京大学21世紀COE「情報科学技術戦略コア」の中で、認識技術と並列計算技術を融合し、高精度およびリアルタイムの動画像認識システムの開発に成功した。具体的には、並列計算ツールであるGXP, MPICH, SCALAPACKを用い、リング状にネットワークしたクラスタでパイプライン処理するシステムや、大規模な行列計算を高速に行うシステムを構築し、高精度およびリアルタイムの動画像認識を実現した。このシステムにおいて、入力データは動画像列であり、用いたアルゴリズムは、高度局所自己相関特徴抽出(CHLAC)を用いたが、多様な入力データを扱い、任意のアルゴリズムを扱える共通計算基盤があれば、実世界情報システムを効果的に構築できると考えられる。本研究の目的は、これらのソフトウエアを出発点として実世界情報並列計算フレームワークを抽出し、異なる種類のデータを扱える新しいシステムを開発することを通じて、汎用の計算基盤の構築と応用例を示すことである。本年度は、下記の課題に取り組んだ:1、実世界情報並列計算フレームワークの抽出、2、オープンブレインシミュレータの開発、3、行為の自他帰属性の内部処理システムの開発、4、神経細胞の三次元形状抽出システムの開発。
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