研究概要 |
本年度は,既存のGOGA Frameworkで得られた知見を生かしつつ, GOGA Framework における利便性に関する問題点,すなわち,1)ミドルウェアGlobus Tool Kit Ver.2 (GTK2)が利用できる環境を想定しているため実運用可能なグリッド計算環境が限られる点,2)ノードを占有できる環境を想定しているため実運用可能なグリッド計算環境が限られる点,を克服するため,新たにGOGA Framework 2 の設計および実装を行った. GOGA Framework 2では,シングルサインオンを一般的に利用されているSSHエージェント,セキュアなファイル転送をSCP,データの安全な転送をJava Secure Socket Extension(JSSE)を用いて実現することにより,問題点1を克服した.また,実行環境を,資源割り当て機構として広く使われているGrid Engineと連携してクラスタ内部のノードに起動させるようにすることにより,問題点2を克服した. GOGA Framework 2を用いて,並列GAモデルであるPMGG(Parallelized MGG)のグリッド化を行い,東工大すずかけ台キャンパスにある研究室のユーザ端末,東工大大岡山キャンパスにあるTSUBAMEクラスタ31CPU,東工大すずかけ台キャンパスにあるDISクラスタ72CPUを用いてGOGA Framework 2の動作検証を行った.ユーザ端末上でGOGA Framework 2を起動して,マスタをDISクラスタ内,70ワーカをDISクラスタ,30ワーカをTSUBAMEクラスタ内で動作させたところ,良好なスケーラビリティを示し,実験結果のGAのログが手元のユーザ端末上に正常に保存されることを確認した.
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