研究概要 |
ITが市民生活へ浸透するに伴って、高齢者や主婦等のナイーブなユーザが、金銭や個人情報を扱う高リスクのITサービスに直接触れるようになってきた。そこで、ナイーブなITユーザを高リスクサービスへ安全に誘導する技術・教育の研究を実施する。ナイーブユーザは、警戒するべき状況で安心し、判断を誤る。そこで、ユーザが感じる安心の要因を解明し、定式化する。また、ユーザがITサービスを認識する過程を分析し、判断を誤る要因(誤認の要因)を解明し、誘導・警告の方法を検討する。さらに、安心と誤認だけでなく、より包括的なナイーブユーザのモデル化に向けて、ユーザが混乱に陥った事例(2000年問題等)を調査分析して、ナイーブユーザがミスリードされる要因を解明し、ミスリード防止のための情報提供の方法を検討する。 19年度は、安心の解明とモデル化の研究として、社会人100人を対象としたアンケート分析を行い,安心の因子を明らかにした.誤認の解明と誘導・警告システムの研究として,SNS(Social Networking Service)からのプライバシー情報漏えいとEコマースにおけるフィッシング詐欺を取り上げ,前者については2年分の日記を分析し,後者については検知システムを試作した。ミスリードの解明と啓発システムの研究として,2000年問題における政府,マスコミ,専門家の発言と,住民の反応を分析した。
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