研究概要 |
・モデル適合化技術(主担当・中島) 計算システムが自動的に生成する種々のログ情報を用いたシステム全体の挙動に冠するモデリングの例として、京都大学で2004年4月から2008年3月まで稼動したスーパーコンピュータシステムのログ情報解析ツールを作成し、省電力運転に関する情報を解析した。その結果、自動省電力運転により計算負荷と消費電力との乖離が大幅に削減されたことと、この機能による自動電源オン/オフが計算ノードの故障率に悪影響を及ぼさないことが明らかになった。 ・モデルベーススケジューリング方式(主担当・大野) タスク並列スクリプト言語MegaScriptによる性能モデリングの第一義的な応用であるタスクスケジューリングついて,大規模階層構造環境に適した階層型スケジューリングと,モデルの不正確性や環境の性能変動に対応する動的スケジューリングを組み合わせた方式を提案した.またこのスケジューラを, 大規模なタスクセットと広域分散ヘテロ環境を対象にシミュレーション評価した。その結果,動的スケジューリングの組み合わせにより、均質環境で34%、不均質環境では47%のタスク実行性能向上が得られることが明らかになった。また階層的なスケジューリングを行うことにより、非均質な大域計算環境におけるタスク実行性能が、7〜10倍向上することも明らかになった。さらに、10,000タスク/1,000ホストという大規模な環境でのスケジューリングに要する時間が、階層的スケジューリングによって1/44に短縮できることも確認された。
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