• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

仮想空間を利用したガン患者サポートグループの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19024045
研究機関京都大学

研究代表者

楠見 孝  京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70195444)

研究分担者 小倉 加奈代  北陸先端科学技術大学院大, 知識科学研究科, 助教 (10432139)
キーワードコミュニケーション / サポートグループ / がん患者 / CMC / アバター / 仮想空間 / コミュニティ / チャット
研究概要

本研究の目的は,インターネット上の3次元マルチユーザ仮想環境を利用したコミュニケーション・システムを,がん患者のためのサポートグループに導入し,それが,患者のメンタルヘルスに及ぼすポジティブな効果,さらにコミュニティの形成に及ぼす効果を解明することである.
本年度は,3次元仮想空間(VR)コミュニケーション・システムをがん患者コミュニティに導入することによる,相互援助ネットワークの形成過程と発話内容を分析した.参加者はインターネットを通してアバターによるチャットをおこなった.チャットは1週1回1時間半のペースで2-6名が参加して行われた.コミュニティのスタートから,3年3ヶ月間の4つの時点の計7915の発話を,匿名化処理をした上で,テキストマイニングによって分析した結果,以下のことが明らかになった.
第1に,開始から10週まででは,患者とファシリテータの発言比率は約50%ずつであり,患者からファシリテータへ発言をする機会が多かった.しかし,2年後以降では,患者の発言比率が約90%になり,患者同士のみで,活発に会話が行われるようになった.また,ファシリテータが会話に参加しない場合には,開始時は参加者の発言が分散する傾向にあるが,時間経過につれ,古くからの参加している特定の患者へ発言が向けられる機会が増え,ファシリテータ的役割を果たすようになることがわかった.
第2に,会話に出現する感情語の出現頻度に基づいて,コミュニティ形成に伴う発話全体の感情語の出現比率の推移を分析した結果,コミュニティの成熟によって,発話の内容に,質的な変化が見られ,不安(例:怖い)・倦怠(例:だるい)に関わる発言が減少し,快(例:元気)や親和(例:好き)に関わる発言が増加した.
第3に,発言間インターバルが長くなると,自身の病気に関するような答えにくい発言,話題がかわされていることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] アバターの感情表出機能によるマルチユーザ仮想空間コミュニケーション・システムの改良2008

    • 著者名/発表者名
      楠見 孝・米田英嗣・小島隆次
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌 31

      ページ: 415-424

    • 査読あり
  • [学会発表] がん患者支援NPOにおけるICT活用2008

    • 著者名/発表者名
      楠見 孝・小倉加奈代・三浦麻子・大井賢一・竹中文良
    • 学会等名
      国際CIO学会第3回研究大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-03-18
  • [学会発表] テキストチャットにおける発言入力中の修正行動の分析2007

    • 著者名/発表者名
      小倉加奈代・西本一志・杉山公造
    • 学会等名
      日本認知科学会第24回大会
    • 発表場所
      成城大学
    • 年月日
      2007-09-05

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi