研究概要 |
本年度は下記の課題に取り組んだ. 1.五感を活用した情報フィルタリングアルゴリズムの提案 2.五感を活用したモバイル向け情報提示機構のための基盤システムの開発 3.状況定義・認識を容易にする装着型デバイスおよび状況認識アルゴリズムの提案 4.応用システムの実装および実運用 1.の情報フィルタリングに関して,本年度はセンサ情報と入力情報のフィルタリング技術を活用した提示デバイスの動的選択機構を提案し,情報提示アルゴリズムを提案した.また,フレームワークの提案だけでなく,その具体例として,装着型ディスプレイ(HMD: Head Mounted Display)の視認性変化を活用した読み取りやすい情報提示手法に関しても実装を行い,ウェアラブル環境特有の複数入力・複数出力環境における複雑なデータ管理機構実現のための枠組みを構築した.2.の基盤システムに関しては,ユーザの要求とセンサ入力を統合的に取り扱い,容易にアプリケーションを構築できるWearable Toolkitと呼ぶルールエンジンおよび関連ツール群を開発した.3.のデバイスおよび認識アルゴリズムの開発に関しては,装着型センサを管理し,故障検出や電源管理を行うデバイスCLADを開発した.また,CLADを活用した低消費電力な状況認識アルゴリズムを提案し,常時状況認識環境の実現に貢献した.4.の応用システム開発に関しては,上記の状況認識およびウェアラブルの基盤システム開発を応用し,ナビゲーションシステムや技術伝承システム,新たな文字入力システムの開発など,枠組みの提案だけでなく提案機構が実際に運用に耐えるクオリティにあることを明らかにした.
|